設計実績

建築構造設計

建築構造設計 建築構造設計 設計実績一覧PDF

建築構造設計は、建物の安全性・耐久性・機能性を確保するために、構造計画や応力解析、断面算定を行います。地震や風荷重、積雪荷重などの外力に耐えられる強固な構造を設計し、快適な建築空間を実現します。鉄骨造、RC造、混構造など、用途や条件に応じた最適な構造方式を提案し、意匠設計や設備設計との調和を図りながら、安全で持続可能な建築物の実現をサポートします。

アイスアリーナ

設置場所
新潟県
適用基準
建築基準法
建物規模
平面66.8m×78.3m, 高さ14.6m, 地上2階
設置目的
アイスアリーナ
想定荷重
地震時の外力分布は、建築基準法に基づきAi分布により算出した。
多雪地域のため積雪荷重は、長期時も見込んでいる。
基本構造
XY方向:ラーメン+ブレース構造(ダンパー有)、屋根は鋼管による立体トラス構造
使用ソフト
ユニオンシステム(株)/Super Build SS3, MIDAS IT社/MIDAS iGen

設計上の要点

・建物の特徴として、メインリンク28.8m×64.8m、サブリンク17.8m×45.0mの無柱空間が必要となるため、屋根は鋼管による立体トラスを採用している。
・多雪地域のため1.0mの積雪を見込んでいる。
・立体トラスを支える柱は大きな荷重を負担するため、RC造の円柱としており、屋根トラスのスパンを低減するためにRC柱上部の鉄骨柱は斜めに配置している。
・大スパンを構成している屋根トラスには積雪を考慮した上で鉛直地震荷重を加味して設計を行っている。
・無柱空間が広く、全体的に柱本数が少ないため、建物外周にダンパーを配置し、地震時の震動を緩和している。
・屋根上部には、太陽光発電を設置している。
・立体屋根トラスは建物正面の地盤面まで折れ曲がりながら構成されているため、地盤面(地中梁)との接続はローラー支承とし、応力が集まらない様に工夫をしている。

ごみ処理施設の設計

設置場所
東京都
適用基準
建築基準法
建物規模
平面60.0m×80.5m, 高さ38.7m, 地上6階,地下2階
設置目的
ごみ処理場
想定荷重
地震時の外力分布は、建築基準法に基づきAi分布により算出した。
積雪荷重は、緩勾配屋根による割増係数を考慮し算出した。
基本構造
XY方向:ラーメン+耐震壁構造(SRC+RC造)、ラーメン+ブレース構造(S造)
使用ソフト
ユニオンシステム(株)/Super Build SS3, MIDAS IT社/MIDAS iGen

設計上の要点

・構造種別は、原則、主要プラント機器を直接支持する箇所に鉄筋コンクリート(RC)造を採用し、剛性・強度を確保した。それらを囲う壁・屋根を構成する架構には軽量で強度の高い鉄骨(S)造を採用した。また、ごみクレーン等の繰り返し荷重を受ける箇所、ごみピット周辺のコアとなる箇所については、剛性・強度に優れた鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造を採用した。
・壁部に窓開口、ドア開口や設備開口等があり、垂壁や腰壁によりせん断破壊が先行するおそれのある柱と梁には、その接合する部分に完全スリットを配置した。
・支持地盤が傾斜していることから、直接基礎と杭基礎(場所打ちコンクリート杭)の異種基礎を採用した。異種基礎となることから、鉛直方向の基礎ばねを考慮し、異種基礎間の不同沈下が生じないことを確認した。
・ごみの側圧を受けるごみピットは、底版と周辺壁との剛性の差による影響を考慮するため、約0.50mの板要素グリッドに分割したFEM解析を行い、安全性を確認した。

天井クレーン支持建屋

設置場所
愛知県
適用基準
建築基準法
建物規模
平面75.0m×100.65m, 高さ23.3m
設置目的
製鉄所内の製造レーン構成建屋
想定荷重
地震時の外力分布は、建築基準法に基づきAi分布により算出した。
積雪荷重は、緩勾配屋根による割増係数を考慮し算出した。
基本構造
鉄骨造 短辺方向:ブレース構造(トラス構造)、長辺方向:ラーメン構造(ラチス柱)
使用ソフト
ユニオンシステム社/Super Build/SS7

設計上の要点

・構造種別は鉄骨造で、柱梁はH型鋼にて構成している。柱および梁は一部トラス構造にて構成されている。
・設計ルート3による構造計算を行った。
・確認申請上は平屋建ての建屋としているが、構造計算上は2階建ての構造物として設計を行った。
・柱スパンは最大で約32m程となっているため、屋根荷重及び積雪荷重等に耐えうる構造とするためトラス梁および梁成1200mmのH型鋼により構成している。
・建屋は天井クレーン(30~40ton用)x3基、および10ton用サスペンションクレーンを支持する建屋となっている。各クレーンの稼働想定より、約16パターンの荷重条件(クレーンの位置、吊り荷満載or空載など)に対して架構の構造が問題ないことを確認した。
・柱脚に大きなせん断力が作用するため、ベースプレート下にシアキーを配置し水平力を負担させた。

某物流倉庫

設置場所
埼玉県
適用基準
建築基準法
建物規模
平面180.8m×76.0m, 高さ28.2m, 地上4階建て
設置目的
物流倉庫
想定荷重
地震時の外力分布は、建築基準法に基づきAi分布により算出した。
積雪荷重は、緩勾配屋根による割増係数を考慮し算出した。
基本構造
鉄骨造 両方向ともに:ブレース併用ラーメン構造
使用ソフト
ユニオンシステム社/Super Build/SS7、MIDAS IT社/MIDAS iGen

設計上の要点

・構造種別は鉄骨造で、柱は角形鋼管またはH型鋼、梁はH型鋼にて構成している。ブレースには座屈拘束ブレースおよび溝型鋼等を使用した耐震構造としている。
・設計ルート3による構造計算を行った。
・1階および2階へはトラックが乗り入れて荷物の積み下ろしが可能な計画となっており、建屋内に2階へと接続するスロープが配置されている。
・物流倉庫としての性能として、1.5~2.0ton/㎡の積載物に耐えうる構造となるように構造計算を行った。
・柱脚は根巻柱脚としている。
・基礎形式は杭基礎としており、SC杭およびPHC杭を使用したプレボーリング工法を採用した。杭頭定着部にはF.T PILE工法を採用し、杭および建屋地中梁が負担する杭頭曲げの低減を行った。
・建屋長辺方向が約180mと長大であるため、温度変化による鉄骨の熱伸びによる影響を考慮し、熱応力解析を別途行い問題ないことを確認した。

某スロープ構造物

設置場所
愛知県
適用基準
建築基準法
建物規模
外径17.7m、内径11.7m, 高さ6.35mの円形スロープ
設置目的
ペデストリアンデッキへ接続するスロープ
想定荷重
建築基準法における工作物として扱い、地震力の設定を行った。
基本構造
鉄骨造にて、XY方向ともラーメン構造
使用ソフト
MIDAS IT社/MIDAS iGen

設計上の要点

・柱を円形鋼管、柱同士をつなぐ円周方向の梁材も円形鋼管を使用し、スロープ床を構成する梁材はH型鋼およびCT鋼にて計画した。
・建築基準法における工作物として扱い、Co=0.5として地震力を設定、許容応力度設計を行った。
・任意形状解析ソフトを使用し実際の構造に近い形状で解析モデルを作成、応力解析を行った。
・スロープ床はコンクリートデッキ床とした。