SDGsの取り組み
ネパールの人里離れた山岳地帯では、多くの校舎が2015年の地震の傷跡をいまだに残している。 ひび割れた壁、弱体化した構造、修復されていない被害により、子どもたちは安全とは言い難い場所で学んでいます。 持続可能な開発目標(SDGs)へのコミットメントの一環として、私たちはこのような状況を変えるべく、1校1校取り組んでいます。
現地調査、実地調査、コミュニティや政府指導者との緊密な連携を通じて、ネパールの伝統的な建築様式や現地のニーズに合わせた安全で低コストの補強方法を開発しています。
最初の一歩:私たちを変えた訪問
最初の訪問では、ポカラ地方の7つの学校を訪れました。
そのなかでもひときわ目を引いたのは、美しい山々に囲まれた環境だけでなく、心を開いて私たちを迎えてくれた生徒や先生たちの温かさでした。
伝統的な石組みで作られた学校は壊れやすく、無防備でした。
ある校舎はすでに深刻な被害を受け、使用できなくなっていました。
私たちはその日、調査データだけでなく、深い目的意識を持ってその地を後にしました。
知識の共有から意識の向上へ
2度目の訪問では、同じ学校に戻り、地震へのレジリエンスに関する小規模なセッションを開催し、学校職員や地域住民に、より安全な建築方法に関する情報を提供しました。
また、地元のパートナーとともに、効果的な補強方法を開発するために不可欠なデータを収集するため、校舎の1つを詳細に測定しました。
ネパールの在来工法を理解するために
現地の建築慣行と地震の影響に関する知識を深めるため、ホームステイ施設として現在も利用されている住宅と、深刻な被害を受けて現在は未使用となっている住宅の2軒を詳細に調査しました。
これらの洞察は、学校を守るだけでなく、より広いコミュニティの安全と回復力を支える効果的で低コストの補強方法を開発するために不可欠です。
構造解析
実測をもとに現況図を作成し、専用の解析ソフトで構造モデルを作成しました。
モデルには実際の地震応答スペクトルを組み込み、現実的な地震条件をシミュレートしています。
シミュレーションを繰り返すことで、既存の構造物で起こりうる破壊モードを再現することができました。 これらの知見は、構造的に有効であるだけでなく、現地の状況や建設技術に合わせた実用的でコスト効率の高い補強方法を設計するための基礎になります。
地元リーダーとのパートナーシップ
ポカラ市長にお会いするのは今回が2度目でしたが、今回も快く迎えてくださいました。
私たちは最初の訪問以来の進捗状況を共有し、今後どのように協力していくかについて話し合いました。
また、ネパールの教育大臣や国会議員、著名な建築家たちとも会う機会がありました。
このような交流は、私たちが永続的な変化をもたらすための強力なパートナーシップを築くのに役立っています。
今後の予定と謝辞
ネパールの子どもたちが安心して教育に専念できるような、安全で安心な生活環境の実現に向け、今後も現地のパートナーと緊密に協力してまいります。
モデルケースを成功させ、その意義を関係当局と共有することで、この知識とアプローチをより広く地域全体に広めていきたいと考えています。
私たちの最終的なビジョンは、次世代を含む現地の人々が、自分たちの家や学校をよりレジリエントなものにするために率先して行動することを支援することです。
私たちを温かく迎えてくださり、私たちの取り組みを支援してくださったポカラ市長、政府関係者、国会議員の方々に心から感謝申し上げます。
特に、当初から献身的に協力をしてくれた地元のパートナーに感謝の意を表明したいと思います。