先輩インタビュー
- 構造設計部
- S.A
- 大学では材料力学を専攻。
大手電機メーカーにて、原子力プラントの配置・構造設計や格納容器の破損の研究を20年経験するベテラン。
現在は大規模プロジェクトのプロジェクトリーダーとして活躍。
入社のきっかけ
RISEに入社前は大手メーカーで原子力プラントの配置・構造設計や格納容器の破損の研究を20年やってきました。当時は上流側の設計で、協力会社さんが作成した計算書や図面をチェックすることが主な業務でした。しかし自分では実際に手ずから計算を行い、構造を決めたい、という思いがありRISEに入社しました。
大学では材料力学を専攻し、メーカーを離れたあとも、派遣の立場でチャンバーの構造設計等を経験し、振り返れば、これまで自分はずっと構造に携わってきたと感じています。
仕事の概要
今は大手プラントエンジニアリング企業のプロジェクトを主体に、プロジェクトリーダーとしてプロジェクト全体の統括、工程管理、図面や構造計算書のチェック等を行っています。
また上記プロジェクトと併せ、原子力発電所に設置される水密扉やタンクの構造計算も行っています。
心がけていることは、お客様の信頼のベースとなる納期をしっかりと守ること。
上記プロジェクトは1年半に渡り、多い時には月に5~6アイテムの提出物があります。
効率的になるよう工夫して業務を遂行していくことが大切です。
ひとつの実践として、当たり前のことですが、つまらないミスを極力しないようにすること。
人間なのでミスを0にすることはできませんが、如何にそこを少なくし、お客様の信頼に足る、高い水準に仕上げていくか。例えば、過去に間違えた点や注意すべきところをポイントとして列記したチェックリストを作成し、お客様への提出前の使用を徹底するなどの対策を取っています。
こちらのお客様からは既に次回プロジェクトとして、3件目の業務ご依頼を頂きました。
次回は更に大規模、かつメインとなる部分を担当することが決定しております。3年間培ってきたものが信頼を頂き、任されるようになってきたことを実感すると同時に、頂いた重責に身の引き締まる思いです。
上司として心がけていること
構造設計を行う上で重要なことは、Verification(検証)作業であると認識しています。インプットさえマニュアルに沿って行えば、構造解析ソフトは答えを出してくれます。しかし、地震や風荷重に対し構造物がどのような挙動をするのかを自分でイメージし、手計算等に基づく自分なりの仮定と解析結果とを比較し、妥当かどうかを判断する。それこそが構造設計技術者のいる意味であり、その仮定を構築するプロセスを幾度も繰り返し、経験を積むことが技術者としてのレベルアップにつながるのだろうと考えています。
また、同じ間違いをしないこと、間違ったことを痛みとして感じること、そして間違えないための仕組みを作ることも重要です。プロジェクトを円滑に進めるために作成するガイドラインでは、いかに簡潔にまとめ、実用に耐えうるものにしていくかを心がけています。
そして、難題に直面しても真剣に取り組み、必ず答えを見つける努力を怠らないこと、コスト削減などお客様にとって+αとなるようなご提案を積極的に行うと同時に、より良いものを作る姿勢を一貫して示すこと・・・
そのようなことを若い人たちに伝えていくことも私にとって大切な仕事であると感じています。
よく「鳥の目・虫の目」にたとえられますが、若い頃は、詳細にこだわり、物事を突き詰めて考え抜く「虫の目」を持つことが大切です。しかし経験を重ねると、徐々に全体を見渡す「鳥の目」が重要だと感じることが多くあります。これはプロジェクト全体を取りまとめる際にも通じることです。一つのものを作り上げる際に分業化して効率を高めることは重要ですが、細かいところにばかり気を取られ過ぎると出来上がったものが『部分最適・全体最悪』の結果に陥りがちです。実践するのはなかなか難しいのですが、両者のバランスをとることが大切なのだと考えています。
私たちは構造設計のスペシャリストとして、詳細にこだわりながらも、全体を俯瞰し、時に皆さんの想定を超えるようなハイレベルな提案を行うことで、頂いている信頼に常にお応えし、社会の安心・安全を着実にお届けしていきたいと考えています。