建築構造設計とは?

設計仕様書を読み込んで、設計条件や使用用途などを見極め、建物が支える重量(積載荷重)を想定し、その重量を支えるための骨組みを法令/基準に則りながら決定します。その際、地震・風・積雪などの荷重条件についても詳細に検討・配慮し設計を行います。

適合性判定審査機関による確認申請業務を通じて、一定水準以上の構造設計を実現していく他に、クライアントの要望に応えつつ、より経済的かつ要求性能に見合った耐力の建物の提案を行うなど、時に要望より高次の建築物の実現を追求しています。

業務内容

構造計画 建物の用途や、意匠上で要求されている性能、および建物の竣工予定時期などから、構造形式を決定します。
仮定断面
  • 地震力への対処方法などを概略で計画し、構造部材の断面を確認します。
  • 耐震壁やブレースを設置する場合は、意匠計画とバランスの良い配置の兼ね合いを考え計画します。
施主等との調整
  • 前述までの検討結果を施主等に報告し、調整を図っていきます。
  • 調整結果を基本計画にフィードバックし、詳細な設計を行います。
実施設計
  • 前項の調整結果に合わせて、詳細設計を進めていきます。
  • 経済性と安全性の双方を確保させるよう心がけて設計を行います。
確認検査機関への事前申請
  • 前項までに設計図書を作成し、確認検査機関に"事前申請"を行います。
  • 指摘事項が出た場合は、構造設計を見直す機会となります。
確認申請・適合性判定
  • 事前申請による指摘等を受け、設計図書を修正し、確認検査機関に確認申請を行います。
  • 確認申請の中では、事前申請で指摘された事項が是正されているか、確認していきます。
  • 建物規模によっては、第三者機関による適合性判定審査も行われ、再度、建物の安全性を確認していきます。
設計完了/工事開始 確認申請が完了されれば、工事開始できるようになります。

建築構造設計で心がけていること

日本は地震多発国であり、建築物はもちろん、プラント・配管なども地震に耐えられるように設計されています。特に建築物は、仮に不測の事態に陥ったとしても、中にいる人たちが安全に避難できるように、建物に粘り強さを持たせ、簡単には倒れない構造を持たせることが必要不可欠です。

簡単に倒れないようにするには、あえて、曲がったり引張って伸びたりするようにします。針がねなども、ある一定のちからで引っ張ると、急に伸びていきますが、なかなか切れませんね。 これと同じような事を建物に使って、粘り強く、倒れない建物を設計していきます。

例えばある立体駐車場の設計では、建物用途上、立体駐車場部分は非常に固いですが粘り強さが乏しく、1F店舗部分は、比較的やわらかいですが粘り強い構造と、相反する特徴を併せ持っていました。かつ、らせん状であった事から、中心部分には複雑なせん断力が発生するなどしていました。

この際心がけたのは、荷重(地震力)をスムーズに伝達させる事と、いかに粘り強さを持たせるかの2点でした。 基本的には、より耐力の大きい部材を選択していく事になるのですが、単純に大きくしていけばよいという訳でもありません。 そこで力の流れを見極めて、適切な部材を選択していくことが大切になります。

大変ですが、力の流れを見極めて上手く設計出来たとき、やりがいを感じます。またそれが実際に建築され、建築物を確認した時の達成感は大きいものです。 これからも社会の安全・安心の一翼を担っているという自覚を強く持ち、引き続き、より高次の設計に向けて研鑽を続けいきたいです。

株式会社 RISE構造設計

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